靴を購入する際、サイズ選びはとても重要です。自分に合っていないサイズだと歩きにくいだけではなく、疲れや足の病気などを誘発しやすく、愛着を持って接することができず後悔することにもなりかねません。
スニーカーの場合は、履きやすさやファッション性から大き目を選ぶということでも良いと思いますが、革靴は履きやすさもファッション性もジャストサイズ一択です。

特にワークブーツなどでエイジングを楽しみたい、自分だけの靴として育てたいと思っている場合はなおさらです。サイズの合っていない靴では履き皺がきれいにつかないし、型崩れを起こす場合もあります。

ここでは自分用メモも兼ねて、レッドウィング直営店の方に聞いたこと、ネットで調べたこと、そして自分の経験上のことを交えてまとめてみます。サイズ選びの参考となれば嬉しいです。

Contents

普段のスニーカーよりワンサイズ下とかいう参考はあてにならない

まず通販サイトなどでよく見る「普段のスニーカーよりワンサイズ下がおすすめです」という文言は、全く参考にならないので無視しましょう。スニーカーだってメーカーごとにサイズ感が違いますし、捨て寸も考慮されていません。大きめのサイズを好んで履いている人もいるでしょう。参考にしていいのは計測した自分のサイズ、足長、足囲、足幅です。

自分のサイズを知ろう

自分のサイズを数字で知ることは大事です。簡単に計測できるのでやってみることをすすめます。レッドウィング正規取扱店でもあるスリーウッド様のページにサイズの測り方が丁寧に掲載されているので参考にしてみてください。

スリーウッド マイサイズの測り方

ちなみに自分は足長26.1cm、足囲24.2cm、足幅10cmでした。サイズ表で見るとワイズはDですね。USサイズだと8Dがマイサイズとなるわけです。

レッドウィングはラスト(木型)によってサイズが違う

またレッドウィングをはじめ、多くのワークブーツはラストによってもサイズ感が異なります。例えばベックマンは8番ラストを使って制作されていますが、ポストマンは210番のラストです。210番は8番に比べやや小さめなので、同じサイズを履き比べた場合、ポストマンの方が窮屈に感じます。

そして革製品は個体差もあるのでマイサイズはあくまで参考値として考えて、実際は試着して判断した方がいいです。

試着時のチェックポイント

それでは試着時のチェックポイントを部分別に解説します。試着の際、靴下にも注意しましょう。厚手の靴下でブーツを履くのであればその靴下を履いて行った方がいいです。また「試着は足がむくむ午後にした方がいい」という声もありますが、実際にその靴を履く時間帯に行くのがいいのかなと思います。

ボールジョイント(足幅)

ボールジョイントとは足の一番広い部分の幅、足の踏み付け部である親指から小指の付け根までの幅です。ここの幅が靴と合っているかを確認します。ここがきついと歩行時に足が痛みを感じるなど負担をかけてしまいます。また緩いと靴擦れができたり、中で足が泳いでしまうので疲れやすくなります。

また親指の関節上あたりの甲部分にある隙間は、ないか少し隙間あるくらいがいいです。ここの隙間がありすぎると深い履きジワが出来やすくなり、見た目がよくないです。またこのシワに皮膚が挟まって(噛まれて)しまうと歩くのが嫌になるくらい痛いです。

またブーツの場合、靴紐の一番下の部分に足の甲がきているか確認してください。ここに足の甲ではなく指の付け根がきている場合はサイズが大きいです。

捨て寸

捨て寸とはつま先の余裕のことです。歩く時は必ず足が前後に動くので、この余裕がないと窮屈で歩きにくく、指先を痛めることにもなります。通常は1.0cm~1.5cm程度の捨て寸があるのが理想的とされています。
革靴の場合、あらかじめ捨て寸を確保していることが多く、例えば26cm(US8)の場合、内寸は27〜27.5cmくらいになっています。

ヒールカップ(かかと)

かかとがフィットしているか確認することも重要です。ポストマンなどの短靴の場合、紐を緩めた状態で爪先立ちしてみて、靴が足についてくればOKですが、ついてこない場合はサイズが大きいかもしれません。

紐を締めた状態でこのヒールカップに余裕がありすぎると、カパカパして歩きにくさの原因になります。キツ過ぎるとかかと部分に靴擦れを発生しやすくなります。

羽根の開き

革靴の靴紐を結ぶ部分を羽根と呼びます。紐をしっかり結んだ状態でこの羽根が閉じ切ってしまう場合は足の甲部分の隙間が多く、サイズが大きいと判断できます。個人的には甲部分の隙間はないほうが好みです。

また革靴は履き込むとソールが沈み込んでいき、より隙間が出来てきてしまうので注意が必要です。

トップライン(履き口)

履いた状態でトップラインがくるぶしに当たって痛くないか、試着して確かめるのがいいと思います。紐を閉めた状態で、小指第一関節が入るくらいの隙間がちょうどいいと思います。

ころし

革靴の内側、土踏まず辺りにある靴のくぼみをころしと言います。通常は靴底から上部にかけて自然に膨らみがつきますが、サイズが小さいとここがパンパンとなり窮屈に感じます。

紐を緩めた状態で歩いてみる

上記のチェックポイントを確認しながら試着してみてください。それで紐を緩めた状態である程度歩けるかを確認することもおすすめします。靴紐はサイズを微調整するもので、なくても履ける状態というのが望ましいです。

インソールを使うポイント

本来インソールは足裏のアーチを整えたり、外反母趾やマメなど足の病気に対するアプローチとして使うものですが、サイズ調整にももちろん有効です。
自分に合ったサイズの靴を購入するのが何よりベストなのですが、既成靴だとサイズは0.5cm単位でしか選べませんし、ワイズも決まったものしかない場合がほとんどなので、本当にジャストサイズを履きたい場合はインソールで調整することも検討するのもいいでしょう。またインソールのクッションにより履き心地が劇的によくなったりもします。

また、履き込むことでソールが沈み、サイズが大きく感じてくる場合があります。そういった時にもインソールは有効です。

ジャストサイズの許容範囲を知ることも大事

自分がジャストサイズの靴を選びたい、という思いから細かく書いてみました。
それでも実際には気になるところが出てくるものです。

自分の場合、例えばベックマンだとUS8がぴったりなのですが、試着時、ぴったりすぎて履くのに相当苦労(5分くらいかかった)しました。また親指が巻き爪なのでぴったりすぎても痛くなってしまうので結局US8.5を選びました。
もちろんブカブカというわけではなく、紐をしっかり締めればフィットするので問題ありません。

「そのうち足に馴染むから小さめを選べ」というアドバイスもありますが、足を痛める可能性もありますし、期待以上に馴染まなかったらもう履けませんし、最悪大きめの方がまだ対策があります。

上記のポイント以外にも個人的な事情を考慮して最適なサイズを選んだいただければ嬉しいです。